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ROSCon 2017参加報告

9月21、22日カナダ・バンクーバーで開催されたROSCon 2017に参加してきましたので、その報告をさせていただきます。

https://roscon.ros.org/2017/

今週末に迫ったOSSユーザーのための勉強会 < OSS X Users Meeting > #20 ロボット開発のための発表資料の作成が結構大変ですので、当日面白いと感じた発表のツイートを転載してほとんど済まさせてください。 1ヶ月以内に会議のビデオが公開されるとのことなので、詳細はそちらをご覧になっていただき、こちらでは当日の雰囲気を味わっていただきたいと思います。

Autoware: ROS-based OSS for Urban Self-driving Mobility

ROSCon 2017の最初のメインセッションの発表者がなんと日本人。そして、発表のクオリティが非常に高くて、動画の見せ方とかも最高にクールでした。 Autowareは全然ウォッチしてきませんでしたが、気になりました。 発表者が日本でも再度同じ内容を(おそらく日本語で)講演されます。

https://connpass.com/event/67370/

ROS Japan UG #13 移動ロボット勉強会も参加希望が非常に多い勉強会になっていますので、やはり自動運転というのは今流行りなのですね。

The ROS 2 vision for advancing the future of robotics development

去年と同様にDirk ThomasさんたちがROS 2の現状と将来に関する発表を行なっておりました。 発表スライドがアップロードされ次第、再度確認してブログでも取り上げたいです。

Space Robotics Challenge backstage: A glimpse at the challenges of running the competition

NASA主催のSpace Robotics Challengeのシミュレーション部門の競技システム構築の舞台裏を発表されました。

シミュレーション競技会は、その競技を実現するためのシミュレーション環境を構築すること自体が大変なチャレンジです。 精度、計算量、再現性、リアルな物理挙動など、さまざま考えなくてはシミュレーション競技会は簡単には開催できませんね。 僕はシミュレーションは昔は好きでしたが、闇が深いことに気づき、最近は結構嫌いな方です。

Determinism in ROS – or when things break /sometimes / and how to fix it…

僕にとってROSCon 2017で一番興味深い内容だったのが、Boschのこの発表です。 ROSを使ってリアルタイムシステムを構築する上で、時間、計算・通信リソースをいかにハンドルするかをかなり詳細に実験されており、勉強になる部分が多いです。

こちらも発表資料がアップロードされ次第、再度確認してブログに取り上げたいです。

しかし、BoschはROSへのコントリビューションに本気ですね。OSRFへも一人エンジニアを派遣されているそうです。 企業が本気でROSを製品に組み込んでいこうという姿勢が感じられました。

Developing Android robots

rosjavaの改善やAndroid NDKを使ったroscppのアンドロイド移植など、かなりヒューマンリソースを投入して開発した、AndroidのROS対応の話です。 Tango端末一台でSLAMを行いつつRoombaを行うデモも行なっていました。

たしかにスマートフォンはそれ自体がセンサーの塊で、Raspberry Piと比較にならないCPU, GPUを積み、バッテリー、液晶も内蔵する最高のコンピュータ端末です。

僕もiOSでROS 2が動かないか試してみる予定です。 iOS, Swift界隈の皆さん、ぜひご協力ください。

Lightning Talks

会議中の二日間は、その場でライトニングトーク希望者を募り、一人3分の発表を行う合計45分の時間がありました。

私は初日のスタートダッシュに遅れ、初日は3人前くらいで希望者を打ち切られ、二日目に掛けて最前列に並びましたが、そちらもうまく行きませんでした。

内容はDockerを使ったROS/ROS2の発表とROS Japan Users Groupの活動報告です。 僕のDockerに対するコミットはここまでで終えて、次に進みたいと思います。

OSRFの公式Docker HubのDockerfileを提唱しているosrf/docker_imagesのosrf/ros2:r2b3-ros1-bridgeイメージを修正するプルリクエストを出しました。 現状のイメージではdynamic_bridgeが動きません。

https://github.com/osrf/docker_images/pull/76

テンプレートから生成されたDockerfileにしないといけない(これは害悪だと思いますが)ようなので、そのままマージされることはなさそうですが、早く直るといいですね。

ROS Japan Users Groupの話は、LT発表に当選した奈良先端大時代の後輩のFelixさんに託して、1ページだけ資料に混ぜてもらうことができました。 非常にありがたかったです。


最後に、なんとOSRFのトップ2人と合計4人で次の日の土曜日にブランチをする機会をいただきました。 ここでROS Japan Users Groupにとって非常に嬉しい出来事が決まったのですが、その話はまだアナウンスできませんので、乞うご期待。

This post is licensed under CC BY 4.0 by the author.

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