家具と住まいと暮らしの再発明、カチャカ
スマートファニチャープラットフォーム:カチャカ
Preferred Roboticsは2023年2月1日に家庭用自律移動ロボットであるスマートファニチャープラットフォーム:カチャカを発表しました。 早いもので、あれからもう1ヶ月半ほど経ちました。
カチャカは、自動掃除ロボットでもない、愛玩ロボットでもない、足の生えたスマートスピーカーでもない、自宅警備ロボットでもない、業務用棚搬送ロボットの家庭向けでもない、全く新しいプラットフォーム性を持つ家庭用ロボットです。 家具は固定されているという”固定”概念を覆し、家具と住まい、ひいては暮らしを再定義、再発明するために生まれました。 家具や家事の種類だけカチャカの使い方は広がります。
製品発表会
製品発表会でのPreferred Robotics CEO礒部さんの語り口は僕が社員だからという主観を除いても、めちゃくちゃ格好良かったです。 最初の導入と最後の締めの言葉はロボットに携わる者で刺さらない人は偽物なのではないか、と思うくらいに説得力と想像力を与える内容となっております。 僕は製品発表会のデモ責任者として、バックヤードの一番良い席でリハーサル含め何度も聞くことができました。 前日のリハーサルは目頭が熱くなりました。
個人的な思い入れとしては、特にカチャカが3台同時に礒部さんの前に集まって、離れていくデモに非常に思い入れがあります。 ご視聴されていない方は、ぜひ動画でご覧いただければ嬉しいです。
我が家とカチャカ
我が家では約2年前くらいから断続的ではありますが、カチャカのある生活を過ごしてきました。 特にこの半年間くらいは、開発者である僕だけでなく、妻や子供たちを含む家族全員でカチャカを使い倒しています。 ユーザとして僕が礒部さんの次にカチャカを使いこなしている自信があります。
配膳下膳、洗濯
どんな家庭でも毎日行われている食事と洗濯は、カチャカが一番わかりやすく便利に使えるユースケースです。
我が家はカウンターキッチンなので、キッチンからダイニングへのストロークは短いですが、それでも4人分の食事を両手で配膳するには5往復ぐらいしないといけません。 それがカチャカを使うと1回で済むので、単純に時短につながります。 さらに、カチャカが配膳中に1歳児の手を洗ってベビーチェアに座らせることができるので、非常に効率良く食事を始められます。 この手洗いアイデアは妻の発案でしたが、今では毎食活躍する定番ルーチンになりました。 一つ一つは非常に地味なのですが、積もり積もると地味に効いてきます。
配膳は料理中の仮置きスペースとしても使えて、完成したらそのまま運んでもらいます。 下膳はカチャカシェルフにどかっと置いて、皿洗いの時間まではキッチン横で待機させておくことで、ダイニングテーブルを美しく保てます。 配膳も下膳も、ダイニングテーブルの座っている位置から手が届く範囲に待機させておくことがコツです。
洗濯物はやんちゃな1歳児を監視しながら畳む必要があるので、普段リビングや子供部屋で畳むことが多いです。 洗濯物も4人家族だと両手で抱えきれない量になるので、カチャカシェルフに詰めて運べると2往復が1往復で済みます。 リビングで畳んだ後はタオルや下着類だけは再度カチャカシェルフに載せて、洗面台で待機させておきます。 そうして後から歯磨きなどのタイミングで合わせて棚に収納します。
他にも子供の遊び相手として、宅配荷物の運び手として、1人10役くらいに活躍してくれています。 別の記事でまた投稿させてください。
妻のプロダクトフィット
実は家族、特に妻に使ってもらえるようになるには、当初かなり苦労しました。 ですが、僕があるとき一念発起してラピッドプロトタイプしたとある機能と、礒部さんからのカチャカの設置場所のアドバイスで、劇的に利用頻度が上がりました。 妻に「ないと困る」と言わせるほどの強烈な変化でした。 妻は社員以外で世界最初のキャズム理論で言うところのスマートファニチャーのイノベータです。 今では僕より色んなユースケースを考えてくれていて、家の模様替えや家具の廃棄にも快く付き合ってくれています。
このとある機能は他の社内ユーザの利用頻度向上にもつながり、カチャカの標準機能として採用されました。 この話だけで熱く語って長くなるので、こちらもまた別の記事として投稿させてください。
カチャカ生活のSNS投稿
我が家とカチャカの毎日は製品発表会からの1ヶ月間、Instagramにほぼ毎日投稿していました。 さすがに力尽きて今は投稿頻度を落としておりますが、Instagramのポストだけでなくリール動画やストーリーもチェックいただければ嬉しいです。
カチャカに関するSNS投稿には、どの投稿にもハッシュタグ #ねえカチャカ
(音声認識のウェイクワード)を付けるようにしているので、見つけてみてください。 こちらでは僕の投稿以外にも、公式アカウント、礒部さん、ベータテスト参加者などの投稿を見ることができます。
パーソナルロボットとしてのカチャカに至る道のり
Preferred Networksは2018年10月にCEATECでトヨタ製モバイルマニピュレータHSRを使ったお片付けロボットを発表しました。
https://projects.preferred.jp/tidying-up-robot/
カチャカはこのお片付けロボットに端を発するPreferred Networksが掲げるパーソナルロボット構想の血脈を最も色濃く受け継ぐロボットです。 カチャカにはHSRのような腕は生えていませんが、家具を運ぶためのドッキングユニットが備わっています。 これを1軸自由度とみなすことで、カチャカは実は単なる自律移動ロボットではなく、Minimum Viableモバイルマニピュレータであると僕たちは考えています。
マニピュレータがハンドに何を装備するのか、ハンドで何を掴むのか、で価値や使い方が全く変わります。 同じように、カチャカもどんな家具を運ぶのか、家具に何の荷物を載せるのか、で価値や使い方が全く変わってくるはずです。
僕は2018年5月にカワダロボティクスからPreferred Networksに転職しました。 それから5年の月日がもうすぐ経とうとしています。 Preferred Networksでの3年半の間に、このお片付けロボットを含め、複数のロボットプロジェクトに携わりました。 実はPreferred Robotics創業メンバーの中で、一番Preferred Networks歴が長いのが僕だったりします。
カチャカに至る道のりの過程で、僕も含めたくさんのメンバーが入れ替わり立ち替わり、紆余曲折しながらもパーソナルロボット構想実現に向けて5年間、邁進してきました。 全く平坦な道のりではなく、辛い経験もたくさんありました。 コロナ禍で社会全体の動向が不透明になったり、在宅勤務を強いられたりした影響も大きいです。 ロボットはソフトウェア、ハードウェアが高度に統合された製品なので、そもそも在宅開発と相性が悪いのです。 円安や半導体ショックの影響も非常に大きいです。 ですが、その高いハードルを超え、跳躍した先に結実したのが、カチャカなんです。
カチャカとスマートファニチャーをどうぞ、よろしくお願いします! 今、先行予約いたしますと、先行予約特典としてトークセッションへご参加いただけたりしますので、ぜひご予約もお願いします!
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